ブレイン・ハイジャック【ゾンビホラー】
「電波が入らなくなった」

「あたしも」

「電波塔が壊れたとか?」

「それも考えられる」

 しかし、なんだろう。

 異様なほどの静けさが周囲にたちこめていた。

 電波塔が壊れたというだけなのだろうか?

「確かめよう」

 再びモリスが家に入っていくので、とりあえず俺たちもついていった。

 そうして掃除機を手に取るとプラグを持ちコンセントに差し込む。

 掃除機のスイッチを入れたが、うんともすんともいわなかった。

「これって」

「電気が通ってない?」

 これじゃあただの鉄塔だ。

「それなら、問題は送電線か発電所だ」

「発電所か。行ってみたい」

 こんなときに早苗は何を言っているんだと思ったが、確かに俺も気になる。

 むしろ、こんなときでないと行く気にはならないかもしれない。

「行ってみる?」

 一口も同じ考えだったのか、自然と発電所を目指す方向になっていた。

 モリスはそれを否定せず、発電所に行こうとなる。
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