ブレイン・ハイジャック【ゾンビホラー】
──俺と一口(いもあらい)は、とにかく安心出来そうな場所を探した。
襲ってくる奴らは、どう考えてもゾンビ化したとしか思えない。
だから、あれはゾンビと呼ぶことにした。
近所ということもあり、知った顔があったけれど、あれはもう俺の知ってる人間じゃないんだと言い聞かせた。
すれ違う奴に尋ねても、パニクッているばかりでこの現状を正しく説明できる奴はいなかった。
玄関が開いている誰もいない家に入ってテレビをつけるも、どのチャンネルも砂嵐かもしくは誰もいないスタジオが映されたままだ。
スマフォでSNSを開いても、意味不明な叫びか推測で語る奴か最期のときをつぶやく言葉が並ぶばかりで恐怖がさらに募っていく。