レヴィオルストーリー2

イルは深呼吸してから真剣な目をギルクに向ける。


「あたしのクナイがないのぉ!なくなったのぉお!!」


結局大音量で言うイル。


その大声に今度はアレンが執務室から顔を出した。




「…イル、うるっせぇんだけど」


その表情といつもより低くなった声にギルクは悟った。

アレンは今この上なく不機嫌だ。


それもそのはず、レイとの時間の為に一生懸命執務を片付けていたのを邪魔されたのだから。



しかしイルは動揺していて気付かない。



「あぁあぁあアレンーっ!聞いて聞いてっ!あたしのクナイ知らないー!?」

「知るわけねぇだろ」

「んもぉ~ッ!こっちは必死なのにぃい!!」


シラッと答えたアレンにイルは地団駄を踏んだ。


その動作と音にアレンの苛々は募る。



「うるせぇっつっただろ!城のてっぺんから落とされてぇのかてめぇ!!」


ついにアレンの雷が落とされた。

イルとギルクまでもがビクッと震える。


しかしイルも負けてられない。



「落とされたら魔法で何とかするもんッ!あたしのクナイの方がだ・い・じ!!ママの形見のやつなんだもんッ!!!!」


イルは泣き真似を始めた。



「…そんな大切なやつなら魔法で探せばいいだろ」


泣き真似は通じてないが、形見と聞いて事情が変わったらしい。

アレンは静かに、そして微妙に呆れながらアドバイスした。




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