レヴィオルストーリー2
第一章◆
1.エルフの少年
翌朝。
「アレン!もう8時よ!散歩行きましょ!」
いつもの6時に起きてずっと待っていたレイは、アレンの部屋の前で声を張り上げた。
中から返事はない。
まだ寝ているようだ。
「もうっ。」
膨れたレイはポケットから鍵を取り出した。
何ヵ月か前にアレンから渡されていた合鍵だ。
鍵穴に差し込んで回すと、カチャッと音を立てて鍵が開いた。
「アレン、入るわよ」
一応一言断ってから、白い扉のドアノブを押す。
中に入ると、部屋の右側にあるベッドでやっぱり寝ていた。
「…アレンったら」
そろそろと近づいてベッドの傍らに座ると、すぅすぅ寝息を立てて体を横にして眠るアレンを眺める。
(…かわいい)
そっと手を握る。
すると瞼がピクッと動いた。
「…ん」
「アレン」
目を開けようとしないアレンに声をかける。
レイの声に反応して、アレンは瞼を上げた。
「……レイ」
「おはよう、アレン」
「…おはよう」
キラキラ笑顔を向けられたアレンは目を擦ると体を起こした。