レヴィオルストーリー2


「写真?肖像画だけど」


ギルクが笑いもせずに答えたのを見てリルムとルルアンは驚いた。

いつもはへらへらして笑ってばかりのギルクが真顔で低い声を発したのだから当たり前だ。


「これは前の前の勇者様よ」


イルが少し焦った表情で言う。



「前の前の?かっこいー人っ!」

面食いリルムは目を輝かせてその一枚の肖像画に駆け寄った。

ジッとそれを眺め、微笑む。


「藍色の目がきれーい♪アレンに似てるね!」

「そりゃ親子だしな…」


隠す必要も意味もないだろうと、ギルクはしかめっ面で答えた。

ルルアンはまたビックリする。


一方リルムはギルクの言葉の方に驚いた。



「親子で勇者!?さっすがアレンっ!」

「…わかったから戻るぞ」


ギルクはイルに目配せした。

イルは無言で手裏剣で壁と子供の服に空いた穴を魔法で直す。



< 112 / 861 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop