レヴィオルストーリー2
「何でー!もうちょっとここに…」
「リルム、アレンにまた怒られたいの?」
イルの真っ青な表情にリルムは黙った。
それはもう嫌らしい。
そそくさと階段を登りながら、ギルクは溜め息をつく。
「アレンとレイ、おっそろしいコンビだよなー。両方怒ったら超やべぇ。」
「そうよね、怖すぎるわっ…」
「イルも怖かったよぅ…」
ルルアンが小さく呟いた。
「誰だって大切なものとられたら怒るでしょっ」
途端にイルはまた目を三角にして怒りだした。
もう本気でないのは手裏剣を取り出さないことから見てとれる。
「ごめんなさい…。そんなに大事なやつだったの?」
素直に謝るルルアンにイルは優しい笑みを向けた。
「謝ったからよろしいっ。これはね、ママの形見なの。」
クナイを見つめるイルの表情は柔らかだ。
ギルクもそれを見て微笑んだ。