レヴィオルストーリー2
「………これって…」
読み終えたレイは口元を押さえてアレンを振り返った。
「…母さんが父さんに書いた、最後の手紙みたいだ。父さんが…亡くなって、二年経ってる。」
つまり、ナティアが亡くなる一年前のもの。
「そう…」
何も言えずにそれだけ呟く。
(…お母さんも今、こんな気持ちなのかしら…。)
父の葬式を思い出す。
泣き崩れた母、それを宥める兄。
真っ黒な集団が、父の亡骸に頭を下げている…。
(…アレンはそれを、まだ八歳のときに一人ぼっちで経験したのよね…。)
自分はまだ家族がいた。
それでも耐えられずに泣いた。
「…気付けなかったんだ」
沈黙の中、突然アレンが重く口を開いた。
「…え?」
「母さんが…泣いてるのにも、悲しんでたのにも…。」
「アレン?」