レヴィオルストーリー2
「あのね、さっきの凄い魔力感じたのよね?」
急に真顔になったレイに少し残念に思いながら頷く隠れSのイル。
「あれ、アレンの魔力なの。」
「え?封印してるって言ってたじゃないのっ」
イルはおっかなびっくり声をあげた。
「そうなんだけど。さっきちょっと、…ウィスカ様宛のナティアさんの手紙を見てね。
そのすぐ後に、アレンがまた自分のこと責めて…。
そしたら私にもわかるくらい、魔力が表に出てきたの。
揺れて不安定で、今にも暴走しそうな感じで…。」
レイは感じたこと全部をイルに話した。
イルならアレンの魔力の異変について何か知っているかもしれないと思ったのだ。
法帝の彼女はいつも見ていれば馬鹿にしか見えないが、魔力については誰よりも詳しい。
話を聞いたイルは、険しい表情で少し考え込んだ。
そして、考えがまとまったのか、レイに向き直る。
その表情は普段の彼女からは想像できないほど深刻なものだった。
「…稀に、あるのよね。魔力が大きい人ほど可能性は高いんだけど…。」
「な、何?」
低い静かな声にレイの緊張が高まる。