レヴィオルストーリー2
「魔力の暴走よ。
魔力は保持者の精神に支えられてるでしょ?
その保持者の精神が揺らぐと、たまに支えきれなくなって魔力を制御出来なくなるの。
そしたら魔力は暴走を始めて、保持者の意思とは関係なしに暴れる。
あたしは見たことないけど、暴走した魔力はその人の心の状態を表すように魔法を連発させるらしいわ。」
「でも、そんなの…。アレンには一度も…。」
愕然としたレイがそう言うと、イルはまた考え込みながら言葉を少しずつ繋いでいった。
「ううん…。あたし達、たぶん何回かアレンのそれに遭遇してる。
ほら、旅でギルクが老婆に狙われたとき。
老婆の魔法、あたしもレイも何もしてないのに弾かれたでしょ?
きっと、アレンが無意識にしたのよ。
アレンはギルクの怪我見て、一瞬固まってたし。
怒ってるか怖かったかしたんじゃない?」
「あ…。」
レイもそれを思い出した。
ギルクが大怪我して、自分が治療をしたのも覚えている。
ふと頭の中に、もう一つそれらしき記憶が浮かび上がった。