レヴィオルストーリー2

思い出して、レイは少しくすりと笑った。


(あの時ほどアレンが不機嫌なの見たことないわ。)


実はレイにはとばっちりが来なかっただけで、本当はもっと不機嫌だったのだが彼女はそれを知らない。


ギルクからしたら笑い事じゃないくらい恐ろしかったのだ。



「レイ?」

一人で笑うレイに、アレンが怪訝そうな表情を向けてきた。


「あ、何でもないわ。」

慌てて顔を戻す。


アレンは少し不思議そうにしたが、すぐにそれをやめていきなりレイを抱き上げた。


お姫様抱っこされたレイは突然の出来事にビックリする。


「!?あああアレン!?」

「しっ。…ちゃんと掴まっとけよ。」


それだけ言うと、アレンは急に後ろに高くジャンプした。



塀の上に立ち、そこから馴れた様子で平均台みたくすいすい歩く。



「アレン、な、何?何でこんな行き方してるの??」


しっかりアレンの首に腕を回したレイが、すぐそばの整った顔に向かって聞く。



「この道、ガキんときによく使っててさ。あそこに繋がってんだ。」



道?

これは道なの??



そう思ったレイだったが、そこはあえて言わないでおく。



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