レヴィオルストーリー2

「あたしら、仕事がなくてこのレヴィオルに渡って来たの。レヴィオルなら仕事に困らないって聞いて…。だから城で働きたいなって。」

「んー…。でも城の使用人は必要最低限の人数しか雇ってないから募集してないし。」

「本当に雑用でいいの。あたしらは故郷の母さんに金を少しでも送れたらいいから。」


必死なロレスウェルにアレンは困ってしまった。


信用できない人は城には置けないし、かといってこんな話されて突き放すと後味が悪い。


(まーた面倒なのが来たな…。)


思わずまた溜め息を溢す。



しばらく悩んでいると、モスウェルが起きた。

体を起こしアレンを見て襲いかかろうとするが、呆気なく制される。



「モスウェル、もう話はしたから。城で仕事をやりたいって伝えたわ。」

さっきまでのキンキン甲高い声とはうって変わった落ち着いた声で、ロレスウェルはモスウェルにそう言った。



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