レヴィオルストーリー2
「あのね、あなた、お名前は?」
レイが傍らに座って優しく聞くと、男の子は可愛らしい笑顔のまま
「ルルアンだよ」
と素直に答える。
「ルルアン君ね。何歳?」
「8歳!」
「どこから来たの?」
「遠~いところ」
「遠いところから?凄いわね。それって何ていうところ?」
アレンは慣れた様子のレイに任せることにして黙って腕を組んでいた。
ルルアンは何故かそのアレンをちら見して……
「遠いところ!」
そう繰り返した。
「えっと…」
レイは困ったように笑う。
そのレイに屈託ない笑顔を向けて、今度はルルアンが口を開いた。
「あのね、僕も聞いていい?」
「なぁに?」
「ワンちゃんいなかった??」
「「え?」」
アレンも一緒に聞き返してしまった。
するとルルアンは不満そうな顔をアレンに向ける。
(…は!?)
───何だ、俺にはしゃべるなってか…?!
ムカついたアレンはむすっとしてまた黙り込んだ。