レヴィオルストーリー2


「ワンちゃん!僕のワンちゃん!ルルって言うんだよ、いなかった??」


不機嫌になったアレンを無視して、ルルアンはレイだけに聞いた。

どうやら優しい綺麗なお姉ちゃんがお気に入りらしい。



「ワンちゃんね…ルルアン君がいたところにはいなかったわよ?ねぇアレン」


アレンの様子に気付かないレイは首を傾げながら振り向いた。

壁に背を預けて腕を組んで立っていたアレンはレイに呼ばれて顔を向けた。

頷いてから、ルルアンに挑戦してみる。


「…どんな犬なんだ?」

「薄い茶色いふさふさの毛のおっきいワンちゃん」


レイには笑顔のルルアンはすぐにさっきの不満そうな顔になった。


アレンは無表情の顔を少しひきつらせる。


(…こいつ…すげぇムカつく…)


誰が運んでやったと思ってるんだ、と言ってやりたかったが、さすがに目の前の小さな少年相手には大人げないのでやめといた。




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