レヴィオルストーリー2
10.疑心と不安
沈黙が部屋にいる六人全員に訪れた。
アレンはただ不安そうに、前を向いているだけだ。
「どうなの?見えないの?」
クナルがもう一度聞いた。
自分の考えが間違いであるのを願いながら、懇願するような声で。
しかしアレンはまた震えながら、ゆっくりと、
──────頷いた。
「嘘でしょ…」
最初にそう呟いたのはレイだった。
アレンはその言葉に下を向き、目を伏せる。
震えているのが誰から見てもわかった。
いくら気配で察することができたりしても、アレンも見えないのは怖いのだ。