レヴィオルストーリー2
0.あれから…
レヴィオル国の首都モスフィックタウン。
その中心に聳え立つ真っ白な城で、青年は難しい顔をして一枚の紙を睨んでいた。
青年の名はアレン=ブロドニス。
巷(ちまた)で『イケメン勇者様』と呼ばれるこの国の国王だ。
レヴィオル国の国王は国で一番強い者が『勇者』と称されその地位に即位する。
アレンは弱冠17歳で、半年前にその勇者になったのだった。
そして────
「…アレン様」
「………」
「アレン様?」
「………」
「アレン様っ!!」
「…うわっ!?」
アレンは耳元で怒鳴られてはじめて反応した。
灰色か黒色かよくわからない曖昧な色の髪がさらりと揺れる。
驚いて見上げると。
「…マケドニス、ビックリさせんな」
アレンの側近、つまり勇者の側近の青年マケドニスが立っていた。
藍色の髪と瞳を持つ彼、マケドニス=ヤルタはアレンと同じカルアシティ出身。
腕の立つ戦士で真面目な為、そこを買われて勇者の側近という大役に23歳の若さで抜擢された。