レヴィオルストーリー2
不意に大きな力を感じて、イルはハッとしてアレンを見た。
そして、気付いた。
アレンの魔力が、揺れている────。
「…レイ!アレンを止めて!」
「えっ…?」
急に叫んだイルにレイは驚いて顔を上げた。
アレンを見るとすぐに気付いて、慌ててその腕を掴む。
「アレン、大丈夫よ!大丈夫だから…私がついてるわ!!」
「…レイ」
レイの声に反応したアレン。
自分の腕を掴む彼女の手をとるとグイッと引っ張り、その腕のなかに抱き締めた。
「…レイ…俺…」
「大丈夫よ、治るわ。だから安心して。」
「…レイ…泣いてない?」
「えぇ。泣いてなんかいられないもの。」
涙をそっと拭いながら、レイは力強く言った。
アレンの魔力の揺れが次第に収まっていく。