レヴィオルストーリー2

「…俺…」


マケドニスの優しい声にアレンは何か言いかけた。


しかし、口をつぐんでそれ以上は言わない。



「…アレン様?」

マケドニスは心配そうにアレンの肩に手を置いて彼を見た。


「…何でもない。」


マケドニスにそう言い、椅子の背もたれに背を預けたアレンは目を閉じる。


その様子にマケドニスは更に心配になった。



「…顔色が悪いですよ。大丈夫ですか?早く医務室に行きましょう。」

「…うん」


腕を掴まれ、アレンは素直に従った。




こんなぼやけたよく見えない視界では、自分が一番何もできない。


万が一攻められた時の為の“あれ”も、使えなくなる。





(早く、治さないと…。)




気持ちだけが焦って、でも自分では何もできない状況にアレンは不安を募らせた。


しかも、たった一人のスパイの為に城の人間を疑わなければならない。



イライラしながら、アレンはマケドニスと共に一階の医務室に向かった。




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