レヴィオルストーリー2
「だから、まだ待ってて。」
アレンはそう言うと最後の一口を惜しむことなく口の中に運び、豪華な白いトレイを持って席を立った。
「アレン、いける?」
「大丈夫」
まだ少し視力が回復しきれていないアレンにレイは不安を覚えたが、いらぬ心配だったらしい。
すぐにトレイを厨房に運び、アレンは戻って来た。
「治癒魔法ではそれが限界なのよね…??」
レイはアレンの碧の目を見つめて囁くように聞く。
「うん。…でもクナルが今日治療薬ができるって言ってたしすぐ治る。」
不安そうだったときとは全く違ういつもの強い態度のアレンは、ひらひら手を振って食堂から消えた。
長い白いテーブルに一人レイは寂しく残される。
「…そういえば最近シルラを見ないわね…」
毎朝あんなに積極的だったシルラが最近は全くレイの前に姿を見せない。
私の知らないところでアレンにアピールしてるのかしら、とレイは少し不安になった。