レヴィオルストーリー2
「聞けばスパイの一人もそうだとか…。これだといつ襲われるかわかりませんわね。」
にっこり笑うシルラ。
アレンは真っ青なまま怒りに震えた。
今の言葉で、マケドニスは無実でシルラがスパイと接触した方だというのはわかった。
だけどまずい方向にいきそうだ。
「私がスパイの人に言ったら…。レイ様はどうなるでしょうね。」
つまり、交換条件。
レイの安全か、シルラとの一回だけのキスか。
レイだって簡単に襲われはしない。
けど、スパイは城の人間になりすましている。
レイは城の人間には気を許しているし、優しいから…。
ギリギリまで相手を信用して、最悪気付かないまま襲われるかもしれない。
(…こいつ、いきなり何で…?)
シルラのことも、信頼してたのに。
アピールは凄かったけど、こんな汚い手を使う人だなんて思ってもいなかった。
…裏切られた。
あの時のように。
あの街の大人達のように、裏切った─────…。