レヴィオルストーリー2
シルラは一瞬、ビクッと怯えた。
自分を見るアレンの綺麗な碧の瞳が、恐ろしく冷たいものに変わったからだ。
そのアレンは一つの答えにたどり着いた。
「…キスはしない。」
したら余計にレイを傷つける。
だから、しない。
「…いいんですか、レイ様がどうなっても?」
「俺が何をしてでも守る。」
固く決意したアレンの言葉に、シルラは美しい顔を歪ませた。
…その愛情のように。
醜く、嫉妬に満ちた表情になる。
「…そうですか。」
吐き捨てるように言う。
「スパイが誰なのか、言ってくれないか」
望みはないが、アレンは一応言ってみた。
やっぱりシルラは首を横に振る。
「私も向こうも、お互い弱味を握られている。言ったら私が危ないです。」
そう言って執務室から出ていった。