レヴィオルストーリー2
「………………はぁ。」
アレンは深く溜め息をつき、ドカッと椅子に座った。
苛々と組んだ足を揺らす。
めんどくさいことになった。
レイが危なくなるなんて。
彼女に何かあったらと思うとゾッとする。
「…結局…信頼なんて馬鹿みたいなもんなんだな」
アレンはボソッと呟いた。
幼い頃、嫌というほど実感させられたのに。
まさかここでもそうなるなんて。
もう一回溜め息をついたアレンは、残った執務を抱えてその場を去った。
できるだけ。
レイのそばに、ついていなきゃいけない。
「…ちょっとでも手ぇ出してみろ。容赦しねぇからな…。」
アレンは冷たい瞳のまま、真っ黒なオーラを出して誰もいない廊下で呟いた。
その、瞬間。
ヒュッと、微かに物音。
アレンは即座に執務を抱えていない右手で剣を抜いた。