レヴィオルストーリー2
─────キィン!
甲高い金属音が鳴る。
金色の修飾の白い絨毯に落ちたのは、鈍く輝く手裏剣だった。
「……え?」
手裏剣?
拾ってそれを観察してみた。
ダルヌク製ではない。
レヴィオル製だ。
この城で手裏剣を持っているのはただ一人。
元忍者の、イルだけ。
(…スパイがイルの部屋から盗ったのか。)
アレンはすぐにそういう結論にたどり着いた。
あの四人だけは、疑わない。
「…イルに返さなきゃな」
落としてたとでも言えばいいだろう。
アレンはそれをポケットに突っ込んだ。
もちろん、怪我しないように。
(…レイにもこんなのが毎回くるようになったら…)
想像してみたがすぐにやめた。
耐えられない。
レイが傷つく姿なんて。
襲う、がどういう意味なのかはわからないが。
アレンはさっきより急いでレイがいるであろう彼女の執務室に向かった。