レヴィオルストーリー2
「…ぅ」
「アレン?」
嫌な夢でも見ているのか、少し魘されているアレンをイルが心配そうに見下ろした。
その心配にはさっきまで自分がしていたことがバレたらどうしよう、というのも含まれている。
「アレン、もしかして起きてる?ねぇ」
イルは試しにアレンを揺さぶってみた。
もちろん杖ではなく手で。
するとアレンは眠ったままその手をいきなり掴み、
───イルを自分の方へ引き寄せ腕を絡めて抱き着いた。
「わきゃあ!?」
驚いて変な声をあげるイル。
「ぅおぉぉい!?」
ギルクもギョッとして叫んだ。
そしてすぐに引き剥がすべく二人に駆け寄る。
「おいアレン!てめぇ寝てるからって何してんだコラァ!しばくぞお前ぇ!ていうかレイが怒るぞお前ぇ!」
そんなことを怒鳴りながらギルクがイルとアレンを離そうと二人の腕を掴んだ。
そして、グイッッと引っ張り引き剥がすと。
「……………レィ……」
アレンがその名前を寝言で口にした。