レヴィオルストーリー2

「…お?」

ギルクは二人の腕を掴んだまま停止する。

しかしすぐにアレンの顔を覗き込んだ。


「…アレン?」


アレンは寝たままだが、閉じた瞳から一筋だけ涙を流している。

マケドニスはそれを見てかなり驚いた。


「…あ、アレン様?」

「…泣いてる…??アレンが?」


イルもギルクの横で首を傾げる。


滅多に泣かないアレンが泣いていた。

マケドニスからしたらアレンが泣いているのなんて見たことがない。


旅のときだって、アレンは一度しか泣かなかった。


───あの、南の塔での時しか。



「…おい、アレン」

ギルクは眉を潜めながら、アレンの体を揺すった。


しかし、アレンが起きる前にまた何かを見つけて驚く。


「…え?何だコレ…。」

揺すった時に左腕の服の袖から何かが見えた。

服を捲ってみると、そこには赤い筋が。


「…怪我?」


アレンは腕を怪我していた。




< 316 / 861 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop