レヴィオルストーリー2
「あの、アレン様。廊下でどうしたんですか?」
泣き真似真っ最中のイルと一人でプンスカ怒っているギルクはほっといて、マケドニスが言葉を繰り返す。
「…廊下で…怪我した。」
アレンは曖昧に返してそっぽを向いた。
側近はムッとして主人に近付く。
「アレン様。誤魔化さないで下さい。これ、刃物の切り傷ですよね?」
「…クナルみたいだなお前」
自分より背が高いマケドニスをアレンは少し睨むように見上げた。
「はい?何でクナルが出てくるんですか。あ、後で治してもらいますけどね。で、どうして怪我を??」
マケドニスはペラペラとよく喋りまくる。
それとは対照的に、アレンは黙りを決め込んでいた。
すると、マケドニスはアレンの腕をいきなりがっしりと掴む。
「どうして、ですか??」
…脅迫だ。
アレンはマケドニスの口調と表情、そして自分の腕を握る手にそう思わずにはいられなかった。