レヴィオルストーリー2

「…ドジっただけだ、こんな軽い怪我で騒ぐなよ」


結局アレンはクナルのときと同じことを言うことにした。

面倒なことになるのは嫌だ。


しかし、後の言葉がマケドニスを怒らせてしまう。


「何ですかその言い種!それに貴方がドジってそんな怪我する訳ありません。
どうして隠すんですか?」

「…………………。」

「アレン様。」

「……うるさい」

「アレン様!」


アレンはマケドニスの手を振り払うと執務室の扉へと向かった。


が、一番扉の近くにいたギルクがそれを止めてやむを得ず立ち止まる。


「おいアレン、ちゃんと答えろよ。何隠してんだ?マケドニスはお前を心配して言ってるんだろ。」


その言葉に、アレンは不快そうにギルクを見上げた。

そして、一言だけ返す。


「……どけ」

「アレン。」

「疲れた。寝る。だからどけ」


短い単語だけ並べると、アレンはギルクを避けて先に進もうとした。

ギルクは尚も止めようとするが、その前に─────




  ヒュッ




何かが顔のすぐそばを通り抜けた。





< 323 / 861 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop