レヴィオルストーリー2
「…ドジっただけだ、こんな軽い怪我で騒ぐなよ」
結局アレンはクナルのときと同じことを言うことにした。
面倒なことになるのは嫌だ。
しかし、後の言葉がマケドニスを怒らせてしまう。
「何ですかその言い種!それに貴方がドジってそんな怪我する訳ありません。
どうして隠すんですか?」
「…………………。」
「アレン様。」
「……うるさい」
「アレン様!」
アレンはマケドニスの手を振り払うと執務室の扉へと向かった。
が、一番扉の近くにいたギルクがそれを止めてやむを得ず立ち止まる。
「おいアレン、ちゃんと答えろよ。何隠してんだ?マケドニスはお前を心配して言ってるんだろ。」
その言葉に、アレンは不快そうにギルクを見上げた。
そして、一言だけ返す。
「……どけ」
「アレン。」
「疲れた。寝る。だからどけ」
短い単語だけ並べると、アレンはギルクを避けて先に進もうとした。
ギルクは尚も止めようとするが、その前に─────
ヒュッ
何かが顔のすぐそばを通り抜けた。