レヴィオルストーリー2
「クナルを呼びましょうか?」
さっきまで怒ってたマケドニスはアレンを見下ろして心配そう。
しかし首を横に振ったアレンは、壁に刺さった短剣に歩み寄った。
「マケドニス、怪我ならあたしが治せるよッ」
後ろでイルが名乗りをあげて跳び跳ねている間、アレンは短剣を引き抜いてそれを調べる。
短剣はレヴィオル製。
(…第一武器庫から盗んだか?)
だとしたら、騎士軍隊の誰かが?
レヴィオル国の国家軍隊は大きく分けて三つ。
一つ目は魔力で戦う魔法使いや精霊士が属する魔法軍隊。
二つ目は剣士や戦士が属する騎士軍隊。
三つ目は武道家や忍者が属する武術軍隊。
最初は人数が少なかったそれらも、今では結構な人数がいる。
それ故に、それぞれの軍隊も何個かにわかれていた。
第一武器庫には、騎士軍隊の第一部隊の武器がある。
その武器庫を開けれるのは、城の権力者と第一部隊の人間のみ。
城の権力者───つまりアレン、レイ、ギルク、イル、マケドニスはさっき短剣を投げれる筈がない。
マケドニス達はここに自分といたし、レイは…いないから。