レヴィオルストーリー2

アレンは短剣をギュッと握り締めてから、騒いでいる三人の方を振り返った。


「イル」

「ひぁい!?」


いきなり声をかけられたイルは変な声を出す。

アレンは間抜けなその返事を無視すると、真剣な表情で彼女を見た。


「三日後に俺が帰ってから、オージャスさん呼べるか?」

その問いにイルはぱちくりと瞬きする。


「ぱ、パパぁ?呼べるってゆーか最近城に通ってるよ?」

「じゃあ、三日後に話したいって言っといて」

「はーい…??」


不思議そうなイル、黙ってアレンを見るギルク、何かを察したマケドニス。

三人を少し見やってから、アレンは今度こそ執務室から去ろうとした。


「おいおいアレン、待てよ。」

ギルクがまたもそれを止める。

腕を掴まれたアレンは仕方なく振り返った。


「怪我治さなきゃ駄目だろ。」

ギルクがそう言ってすぐに、反対側にいたイルがアレンの左腕に手を翳す。

浅い傷は一瞬にして消え去った。


イルはそれを確認すると、今度はアレンの頬に手を伸ばす。





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