レヴィオルストーリー2

“シルラ”


その名前にアレンは微笑みを消す。

いぶかしげにイルが差し出したモノを眺めると、引ったくってポケットに突っ込んだ。


「あれ?読まないの?手紙でしょ、それッ。」

イルが不思議そうにアレンを見上げる。

アレンは機嫌を損ねた様子で、イルの方を見ようとしない。


「確かシルラって休暇中だよなぁ。」

ギルクがアレンのポケットを見ながら、誰にともなく訊いた。


「はい。あいつの休暇は確かあと…」


マケドニスが答える途中で、アレンが執務室から出ようとする。


「あっ!アレ…」


止めようとした時には、もうアレンはいなかった。

廊下をスタスタ歩いて行く。



その後ろ姿にイルが首を傾げた。



「…あたし何かまずった?」

「いや…?俺か?」

イルとギルクは超不思議そう。

さっきアレンが笑ったからか、もうさほど心配はしていないようだ。




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