レヴィオルストーリー2

中から出てきたのは、虹色の石の欠片と二つのマグカップ。



割れるのはアレンが床に落ちる前に拾って何とか防げた。



「…あっぶね」



また箱の中に入れる。


二つのマグカップはピンクと水色のペアらしい。

ピンクだけが既に割れていた。



「……何で今さらあんな夢…。」


マグカップを見ながら呟いたアレンの目付きが、一瞬だけ変わる。


冷たく恐ろしい、だけどどこか哀しそうな瞳。




「………はぁ」


アレンは溜め息をつくとそれも元の場所に戻した。


結局電気はつけずに、ベッドに入ると目を閉じる。

いつものように、剣を傍らに立て掛けて。


夜中の修行は今日もするらしい。


(……レイ…)



自分に微かに残る彼女がくれた香水の匂い。


それを感じながら、アレンはすぐに眠りについた。






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