レヴィオルストーリー2
騎士軍隊第一部隊のディルを連れていくのに抵抗はあったが、逆にこの出張中に何かがあったら彼がスパイだということになる。
いくら何でも50人全員は無理な話だから、アレンはまず隊長から、と彼を選んだのだった。
「あ、船が来ましたよ」
そのディルがウェーブがかかった黒髪を揺らしてアレンに報告する。
ルシアンもその隣で頷いていた。
ちなみに二人の年齢は、ディルが32歳でルシアンが30歳。
このメンバーの中ではディルが最年長でコニスが最年少だ。
「…来たな船…。」
何故かマケドニスが船を睨む。
アレンはそんな側近の様子に首を傾げた。
「おぉ!でっかい!シリティーちゃんに見せてあげたいよ。」
「おまっ…!!」
「コニス君ってそればっかりね」
ルシアンが笑いながら密かにラークの足を踏んでいた。
うるさいから黙ってほしかったらしい。
医療チームの女性は恐ろしい。
痛みの中ふとそんな噂を思い出したラークだった。