レヴィオルストーリー2
第五章◆
どこまでも続く青い空。
緩やかに流れる白い雲。
太陽は夏が近付くからか、この場所が問題なのか、ジリジリと砂を照らす。
「…そろそろかな?」
美しい空の景色を眺めながら、砂だらけのその町で男は呟いた。
黒髪が好き勝手に色んな方向に跳ねているが、それは男に合っている。
男は髪を掻くと手に持っている雑誌の表紙に目をやった。
『勇者、リシェラルク皇国の教皇と緊急会談』
「…アレンったらイケメンになったねー」
ニヤリと笑った男は雑誌を捨てると鼻歌まじりに歩き出した。
「足掻いても無駄。ダーチェス様の力は絶対的なんだからさ。」
謎の言葉を残し、男はどこかへ消える。
砂を照らす太陽と空だけが、それを見ていた。