レヴィオルストーリー2


城に着いて馬車から降りると、玄関にシルラがいた。


慌てて駆けてくる。



「アレン様!」

「シルラ?…あ、お前、レイが何でどっか行ったのか知ってるか?」


アレンが聞くとシルラは変に緊張して深呼吸をした。


「…おい?」


「れ、レイ様は…、レイマシティに行かれました。」


それを聞いてアレンは眉を寄せた。


「は?何で?慌てて里帰り?」

「いえ、…あの、レイ様のお父様のローゼ様が……事故に遭い、危篤だという連絡を私が受けまして…」




「………は?」




アレンは今度は目を少し見開いた。



シルラは滅多に見ないその表情に少し驚きつつも、冷静に伝える。



「何でも遺跡の調査中に天井が崩れたらしくて…、仲間を庇って下敷きになられたそうなんです。今はレイマシティの大病院で集中治療を受けているらしいです。」


「…治癒魔法チームが治療してるのか?」

「はい、特隊が。」

「それなのに、…まだ治療中?」

「…はい。」



重苦しい沈黙が訪れた。



レイマシティの大病院の特隊治癒魔法チームといえば、レヴィオルで城の医療チームと一二を争う凄腕医療チーム。


そのチームが何時間もかけて治療するほど、酷い怪我。



「…マケドニス、午後の会議は延長できるか」

「はい」

「今からレイマシティに行く」

「…わかりました」



慌ただしく動き出したアレン達に、ルルアンはただオロオロしていた。




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