レヴィオルストーリー2
(ナティアはあの方と結婚したのね…。)
10年以上前、一度だけ会った伝説の男を思い出す。
ナティアが男に惚れるところなど見たことがないが、あの人ならわかる気がした。
さりげない気配りはもちろん、逞しくかっこよく。
だけどどこか抜けていて。
全ての意味で最高だったのを覚えている。
(彼女が海を渡ったのは、結果的によかったのでしょうね。)
彼女の両親に話しかけながら、サルリナ教皇は二人の容姿を受け継ぐその子をじっと見ていた。
「…ん?教皇様?」
自分の会ったことのない祖父母に合掌し終わり、アレンは視線に気付いてそちらを見た。
サルリナ教皇はアレンを見ていたが、ハッとして目線を逸らす。
「終わりましたね。では戻りましょうか」
「?はい…」
アレンはただ首を傾げる。