レヴィオルストーリー2
黒い点は今日もいつもと同じ数。
特に変わりはない。
「…これ以上黒が増えても逆に怖いです」
水晶に向かってぽつりと呟き、シリティーは席を立った。
違う椅子に座り、仕事を始める。
最初はいわゆる軍隊の兵士でも、紙の仕事があることに驚いたものだ。
シリティーはそのまま、しばらく仕事をやっていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
そして、数時間後。
「…そろそろですね」
シリティーはそう呟くと席を立った。
時刻は午後4時30分。
別にそろそろでもないが、シリティーはそわそわしながら鏡の前に移動した。
きちんと彼がくれたカチューシャをつけ、部屋を出る。
電気を消したその部屋で、水晶に黒い点が増えたことなどシリティーは全く気付けなかったのだった。