レヴィオルストーリー2

珍しくちょっとつり目な紫の瞳を輝かせ、城に向かうシリティー。

しかしその城までが遠かったり。


(…無駄に広いです)

そこはアレンもいつも感じているところだった。


ちょっと急ぎ足で歩いていると、ふと遠い城門に人影が見えた気がした。

シリティーは首を傾げる。


「…お客様ですか?それとも、…帰って来ましたか?」


若干期待まじりにそちらに向かう。

しかしこれまた無駄に遠い。


苛ついたシリティーは無駄に瞬間移動の魔法を発動した。

結構短気なようだ。


いきなり現れたシリティーに、城門で立つ人影はビックリ。


「うぉおぉお!?」


叫んで超後退りした。


「…何だ、違いましたか。無駄にリアクションしなくてもいいですよ。鬱陶しい」

その叫んだ人物を見たシリティーは彼ではないことにまた苛立ち、キツい言葉を浴びせ八つ当たりをする。

その八つ当たりされた人物───黒髪が好き勝手に色んな方向に跳ねている男は、いきなりの酷い言葉に更に驚く。

独特なグレーの瞳を真ん丸にしていた。




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