レヴィオルストーリー2
「アレン、お前が勇者になったと聞いたときは本当に驚いたよ。
…あの甘えたがって、ね。」
「ふーん」
適当に返し、アレンは尚も話そうとするクウェンナの脇を通り抜けようと歩き出した。
しかしクウェンナはそれをさせない。
アレンは鬱陶しくなってクウェンナを睨んだ。
そこであることに気付く。
「…それ何だ?さっきはなかった」
そう言ってアレンはクウェンナの頬を指差した。
指差した先の彼の頬は、赤くなり腫れ上がっている。
アレンの問いに、クウェンナは苦虫を噛み潰したような顔をした。
「あいつだよ、あの赤い髪の…。城のお偉いさんだろ?」
その言葉にアレンは眉を寄せた。
クウェンナの言い様からするとそれはギルクなのだが…。
「…何でギルクがお前を殴るんだよ」
そこがわからない。
そして、クウェンナは急にまたへらつく。
「あの時の話をちょこっとしたからかな」