レヴィオルストーリー2


それだけ言ったアレンは踵を返し、階段の向こうに消えた。


クウェンナは固まったまましばらくアレンがいたところを眺めていたが、やがて楽しそうに笑いだす。



「はははっ…。一筋縄じゃいかないな。こりゃ手強そうですよ、ダーチェス様。」


そう言いながら自分も階段を上る。



「偵察は、終わり。今日はもう帰ってやるよ、アレン。

…でも必ず、手に入れる。

我が主、ダーチェス様の為にね。」



怪しげに笑みを浮かべ、クウェンナは城を出た。



その瞬間、シリティーの水晶に誰にも気付かれずに浮かんでいた黒点が、一つスゥッと消えていったのだった。







< 410 / 861 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop