レヴィオルストーリー2

丘に入り、少し歩くと立派なレンガ造りの家が見えてくる。

その家の庭で花に水やりをする彼女を見て、レイは微笑むと林檎が落ちないように気を付けながら駆け寄った。



「リディンさん!」


名前を呼ばれた彼女、リディンは顔をあげてレイを見ると頬を綻ばせる。

レイが来ると水を止めて寄ってきた。



「こんにちは、レイちゃん。今日も来たのかい」

「えぇ。ご迷惑じゃないかしら?」

「いいや、嬉しいかぎりじゃよ。レイちゃんは私の孫みたいなもんだからの。」


レイは故郷に帰ってからの数日間、リディンと友人の家を代わる代わる訪ねていた。

もちろん母の看病もしっかりこなして。



リディンの言葉にレイはまた微笑む。

そんな彼女を優しく見てから、リディンは思い出したかのようにポンと手をうった。



「今日はちと客がいての。」

「お客さん?私、帰ったほうがいいかしら。」

「いーや、あいつもレイちゃんを見たら喜ぶじゃろうて。おいで、お茶を出してあげるよ」




< 423 / 861 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop