レヴィオルストーリー2
丘に入り、少し歩くと立派なレンガ造りの家が見えてくる。
その家の庭で花に水やりをする彼女を見て、レイは微笑むと林檎が落ちないように気を付けながら駆け寄った。
「リディンさん!」
名前を呼ばれた彼女、リディンは顔をあげてレイを見ると頬を綻ばせる。
レイが来ると水を止めて寄ってきた。
「こんにちは、レイちゃん。今日も来たのかい」
「えぇ。ご迷惑じゃないかしら?」
「いいや、嬉しいかぎりじゃよ。レイちゃんは私の孫みたいなもんだからの。」
レイは故郷に帰ってからの数日間、リディンと友人の家を代わる代わる訪ねていた。
もちろん母の看病もしっかりこなして。
リディンの言葉にレイはまた微笑む。
そんな彼女を優しく見てから、リディンは思い出したかのようにポンと手をうった。
「今日はちと客がいての。」
「お客さん?私、帰ったほうがいいかしら。」
「いーや、あいつもレイちゃんを見たら喜ぶじゃろうて。おいで、お茶を出してあげるよ」