レヴィオルストーリー2
「そうかいそうかい…。何で挨拶しなかったのじゃ?アレンなら忙しくても会ってくれるじゃろう」
その言葉にさらに涙ぐむレイ。
メディンは静かにレイを見る。
「…私、ちょっと噂を聞いて。アレンが違う人とできてるって。
そんな訳ないのに、相手の人がアレンに気があったからって不安になって…。
ちょっと避けちゃったんです。アレンのこと。アレンはたくさん私の為に時間を作ってくれてたのに。」
「…そうか。まぁレイちゃん、落ち着いて。これをお飲み。」
林檎を抱えてぐすっと鼻を啜ったレイに、リディンがココアを差し出した。
レイは林檎を脇によけてからそれを受け取り、ゆっくり飲んでいく。
「城も色々あるみたいじゃのう」
レイの髪を撫でながら、リディンが染々と呟いた。
メディンは頷いて少し考え込む。
やがて顔をあげた彼は、レイを見て微笑んだ。
「ちと、おとぎ話をしようかの」
「…おとぎ話?」
レイは鼻声で答える。
メディンはまた頷くと、どこか懐かしそうに目を細めて話し出した。