レヴィオルストーリー2

「そうかいそうかい…。何で挨拶しなかったのじゃ?アレンなら忙しくても会ってくれるじゃろう」

その言葉にさらに涙ぐむレイ。

メディンは静かにレイを見る。


「…私、ちょっと噂を聞いて。アレンが違う人とできてるって。

そんな訳ないのに、相手の人がアレンに気があったからって不安になって…。

ちょっと避けちゃったんです。アレンのこと。アレンはたくさん私の為に時間を作ってくれてたのに。」


「…そうか。まぁレイちゃん、落ち着いて。これをお飲み。」



林檎を抱えてぐすっと鼻を啜ったレイに、リディンがココアを差し出した。

レイは林檎を脇によけてからそれを受け取り、ゆっくり飲んでいく。



「城も色々あるみたいじゃのう」

レイの髪を撫でながら、リディンが染々と呟いた。

メディンは頷いて少し考え込む。


やがて顔をあげた彼は、レイを見て微笑んだ。



「ちと、おとぎ話をしようかの」


「…おとぎ話?」



レイは鼻声で答える。


メディンはまた頷くと、どこか懐かしそうに目を細めて話し出した。





< 426 / 861 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop