レヴィオルストーリー2
(早く、連絡しなくちゃ。話したいし、会いたい。)
急ぎ足で広い丘を進む。
もう精霊を呼んですぐに家に行こうかな、と思ったときだった。
「…?」
レイはその場に立ち止まった。
前方から、一人男が歩いてくる。
自分を真っ直ぐ見据えて。
「レイ=アナチェルさんかい?」
目の前まで来た男が訊いてきた。
レイはジッと相手を観察する。
四方八方に跳ねた黒い髪、独特なグレーの瞳。
(…誰?)
「あのー、レイ=アナチェルさんかいって、訊いたんだけど?」
知らない男はへらついて質問を繰り返した。
「…何か?」
レイは遠回しに返答する。
この曖昧な答えにそうだと確信したのか、男は更にへらついた。
「よかった、合ってた」