レヴィオルストーリー2


(……………何じゃ?)



何だか嫌な予感がする。


占星術を極めたリディンの勘が、警笛を鳴らしていた。




リディンはゆっくりとレイに近付く。


そして、彼女の目の前にいる男を見て、林檎をドサッと落としてしまった。




リディンの紫の瞳は、確かに見たのだ。




今まで見たこともないくらいどす黒く歪んだ、男の禍々しい“気”を。





「レイちゃん!駄目じゃ!戻っておいで!!」



リディンは必死になって叫んだ。

叫んでレイに走り寄る。


しかしリディンももう老人。


思い切りなど走れない。




「リディンさん?」



彼女の叫び声に驚いたレイが、振り返ってリディンを見た。



その瞬間、男の目が怪しく光る。






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