レヴィオルストーリー2
「…あ、おはよう」
はじめて彼の存在に気付いたアレンはぼんやりと挨拶をした。
「おはようございます。どうかなされましたか?」
マケドニスは首を傾げて聞いてみる。
「え?」
「いえ、珍しく起きていたものですから。」
きょとんとしたアレンに、少し嫌味を混ぜて冗談を言ってみる。
すると…
「…何でもない。目が覚めただけ。」
無表情に答えるアレン。
マケドニスは密かに表情を曇らせた。
レイマシティに行った三日前から、様子がおかしい。
いつもならさっきのようなことを言えば、口を尖らせて拗ねるのに。
しかし、ギルクとイルに三日前のことはアレンには聞くなと言われていたマケドニスは、何も言えない。
「…今日は朝一番に七帝の会議ですよ。」
心配する気持ちを押し殺して、マケドニスはいつも通りに予定を伝えた。
「…七帝?」
アレンが反応する。
七帝というのは、レヴィオルの七人の代表のことだ。
筆頭に勇者で剣帝のアレン、
次に精帝のレイと武帝のギルクと法帝のイル、
その次に海賊王のルティ、大天使、忍帝となる。
「はい。早く支度をしないと遅れますよ。」
「…わかった。」
アレンはベッドから降りて支度をはじめた。