レヴィオルストーリー2
執務室を光の速さ並みで出たアレンはもう城の庭園にいた。
最上階ではまだ残されたメンバーが戸惑っているが、そんなの知ったこっちゃない。
「…母さん、ごめん。これだけは無理」
ポツリと呟いたアレンは右の後ろの首筋に手を宛てた。
何かの呪文を素早く囁く。
次の瞬間、アレンを中心に巨大な黄金の光を放つ魔方陣が現れた。
いつまで経っても慣れない感覚に眉を潜め、アレンは次の魔法を発動させる。
「《位置断定》」
また呪文を囁き、目を閉じた。
脳内に浮かぶある場所のイメージと位置。
「《移動魔法》」
直ぐ様アレンは愛しい彼女の元に瞬間移動した。
それが罠だとは全く知らずに。