レヴィオルストーリー2
「綺麗だろ?銀色の魔力。」
クウェンナはレイに待機させた魔法を向けたまま、アレンを見てまたにやつく。
「“聖”のお前の魔力と対になる“惡”の魔力さ」
その言葉にアレンはピクッと身を小さく震わせた。
クウェンナは楽しそうに彼を眺めて、次の反応を待っている。
しかしアレンが何も言わないのがわかると、つまらなさそうに口を尖らせた。
それも何か思い付いたのか、すぐにニヤニヤに変わるが。
「…アレン、お前はエレスの血族なんだろ?ハーフらしいけど。
俺はゼウスの血族。ちなみに直系で純血。
ハーフと純血、どっちの方が力が強いかなんて一目瞭然だと思わないかい?」
ペラペラペラペラと、クウェンナはそんなことを言い出した。
レイは訳がわからないといった様子だが、リシェラルク皇国でサリルナ教皇に話を聞いたアレンはある程度は理解できる。
実際アレンはその場にいた誰にも言わなかったが、自分の魔力の正体を教皇との会話で突き止めていた。