レヴィオルストーリー2
寒さはなくなったが、アレンの冷たい目は鋭くクウェンナを射抜く。
クウェンナは動揺して気付かなかったが、アレンが後ろで軽く手を動かした。
その瞬間、レイを縛る魔法が消える。
だが縄は殆んどは切れたが残っていた。
クウェンナに気付かせない為の細工だ。
レイはアレンの作戦に気付いて、逃げれないフリを決め込む。
「“闇王”って何だ。教えろよ」
レイがいつでも逃げれるようになったのを確認すると、アレンはクウェンナを見下ろしまた質問した。
クウェンナはアレンを見て、動揺したまま不快そうな表情を浮かべる。
「ずいぶん偉そうだな勇者様?」
「誘拐犯に気を遣う必要はないからな」
ズパッと切り返したアレンにクウェンナは声を詰まらせた。
そして、チッと舌打ちする。
「本当に変わったな。お兄さんは悲しいよ」
そのクウェンナの揺さぶりをかけた嫌味にも、アレンは全く動じない。
ただ、クウェンナを見る瞳に冷たさが増した。