レヴィオルストーリー2

「…二度とその面見せるなって、昨日言ったばっかだろ」


低く呟くように言った声には、さっきのような怒りが籠められている。

クウェンナは意地悪く笑った。



「無理な話だね。俺達はずっと待ってたんだから。」


その言葉にアレンはピクリと眉をつり上げる。

…話が噛み合っていない。


「何を待ってたって言うんだ?それが俺と会わないことに何の関係があるってんだ」

苛々するアレンは知らず知らずの内に声を荒げていく。

レイはハラハラしながら黙って話を聞いていた。


「大アリだよアレン。それの為に俺はお前に近づいて、兄さん顔してたんだ。最後にはきちんと裏切って、ね。」

クウェンナはほくそ笑み、アレンに得意げに言い放った。

また聞かれやしないかという動揺を押し隠して。



アレンはクウェンナの物言いに唇を噛み締めると、彼を睨んだまま口を開いた。


「…言う気はないみたいだな」

「もちろん。」

「じゃあ、最後に一つだけ。」

「……最後?逃げられるとでも??」


クウェンナはアレンを意地悪く笑いながら見ると手を向けた。

何かの魔法をするつもりだろう。






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