レヴィオルストーリー2
辛うじて聞こえたアレンの言葉に、レイはその胸のなかで顔を上げた。
どうして無理なの?と聞こうとして、やめる。
アレンは顔面蒼白になり、汗を額に滲ませていた。
焦点の定まらない瞳でぼんやりとレイを見下ろしている。
「えっ、アレン…」
レイが驚いて声をかけるとアレンは目を閉じて、
「…ごめ、もう…キツい……」
そう呟きながら体を後ろに倒し出した。
「アレン!?」
レイが慌てて腕を引くその前に、アレンの倒れるところにソファーが現れる。
アレンは見事そこに背中から倒れ込んだ。
ビックリしたレイが顔を上げると、メディンが杖を掲げていた。
彼が魔法でソファーを移動させたのだ。
「魔力を使ったからじゃな」
メディンは少し低い声で囁いた。
リディンが移動したソファーの傍らに膝をつき、アレンに毛布を掛けてやる。
「…移動魔法二回に、位置断定魔法。他にも色々と…。全く、無理をしすぎじゃ」
魔力透視をしたメディンが嘆息しながら呟いた。
レイはメディンの言葉を聞くと、アレンを見て涙ぐむ。