レヴィオルストーリー2

「…えっ!アレン!?」


慌てて部屋を見渡す。


どこかに隠れているのかとクローゼットの中まで探した後、アレンが意味もなくかくれんぼみたいなことなどする訳がないことに気付いた。


自分の無意味な行動に呆れながらまた部屋を見渡すと、ベランダの扉も微かに開いている。


レイはそこにいるのかと、そっと近付いてベランダに出た。



アレンはいない。


しかし、二階のそこから見える景色は最高だった。


満天の星空に輝く三日月。

精霊の丘が見渡せる。




「……あら?」


見とれていると、レイは丘に何かを見つけた。


暗くてよく見えないが、あれは……。




「アレン!?」





そう、アレン。


芝生の地面に腰を下ろし、景色を眺めているようだ。



いくら春だからと言っても、さすがにあれは寒いだろう。


レイはリディンが用意してくれた上着を二枚取ると、片方着て廊下に飛び出した。





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