レヴィオルストーリー2
老人を起こさないようにそっと家を出て、アレンがいたところに向かう。
彼は樹にもたれ掛かり、海の方向を眺めていた。
アレンは気配で気付いたのか、すぐにレイに顔を向ける。
「アレン、寒いでしょ。はい」
レイは上着を差し出し、にっこり笑った。
アレンも頬を綻ばせる。
彼が上着を羽織ったのを見てから、レイはその隣にさりげなく座った。
「もう大丈夫??」
「…ん。カッコわりぃな、助けたわりにぶっ倒れて」
苦笑いしながら言うアレン。
レイは首を傾げて彼を見上げた。
「そんなことないわよ。全力で助けてくれたんだって、嬉しかった。倒れてほしくはないけど…。」
ちょっと表情を曇らせるレイ。
アレンも同じように目を伏せた。
二人の間に沈黙が流れる。
レイがいつ話を切り出そうかと考えていると、アレンはまた海に目を向けてしまった。
その表情が酷く哀しげで、レイまで悲しくなってくる。